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お手軽 M.F.B.
無冠の名器、SONY SAーSシリーズを使ったリメイクのお話
このタイプはソニーから1994年以降何種類か発売されているパワーアンプ(IC:SANYO STK401)内臓のパワードスピーカーですが、ウーハー部はMFBで制御され、ツイーター部はコンデンサスピーカーという、未来志向の仕様となっています。


       
SA-S1 ウーハーは約16cm  SA-S900 ウーハーは約14cm


時代はちょうどソニーがMDを発表した(1992)直後で、未来メディアとなるであろうMD普及の一環として、このような力の入った構成になったのではないでしょうか。

ところがこのコンデンサツイーターがクセモノで、2年ほどすると音が小さくなってしまうのです。それも左右それぞれランダムに劣化して行きます。

それでも一部のマニアは自分で分解、組み立てによって修理しているようですが、結局音量が安定するのに10分かかるなど、大概はジャンクもしくはNC,NR扱いのオークション行きとなります。

確かに完成されたステレオスピーカーシステムとして評価すると、音質バランスの点ではもはやガラクタの領域かもしれません。

しかしMFB回路付き20Wパワーアンプと、MFB用ピックアップコイル付きスペシャルウーハーユニットというレアな組み合わせを2セット分購入すると考えた場合、オークション相場の4〜6000円というのはメチャクチャな安値です。


   


またバラバラのアンプとユニットで不用意にMFBをかけると低音不足になりますが、専用アンプではこのスピーカーに合わせて、ちゃんとローブーストが施されているはずです。

そこでツイーターは後ほど対処するとして、単なるMFBウーハーシステムとして生き残る道を考えます。まずツイーターや、いかにもコンポと言った感じのプラスチック部分などを取り外し、軽く角を面取りしたり塗装を行うことで別のデザインが見えてきます。

※ 小さな箱なのにMFBだから低音がよく出るというのは勘違いで、ピックアップコイルから発電された電圧をそのままフィードバックすると、低音は減ってしまいます。詳しくは別項目で。


      
        SA-S1改造後

  
SA-S900改造後とS900背面。アンプ部分は見せることにした。独立した電源スイッチはコンポ用なので付いていない。SA-S1のアンプは下面にあり、電源スイッチとパイロットランプは前面にある。



    


今後のプランとしてはこのボックスの上に6P3SHVTCシングルアンプを載せて、コーンもしくはドームツイーターをドライブします。しかし将来は真空管(12BH7など)PPドライブでコンデンサーツイーターの復活を狙っています。

というのもハイインピーダンス高電圧ドライブのコンデンサスピーカーは、真空管アンプにとって腕の見せ所だからで、逆にトランジスタアンプでは余計な昇圧トランスなどが入ってしまうのです。


   


とりあえずウーハーはここまでにして、コンデンサツイーターが音量低下を起こしてしまう理由を考察してみます。


つづく