録音するときの16トラックとは、録音する記録媒体を1本の道と考えた時、
それを16車線に分けた状態を言います。
それぞれの車線にはベースだけとかギターだけと言う状態で録音するので、
それぞれの楽器の音量や音質を後から調節できます。
後からバランスをとることが難しくなります。
例えば爆音のようなギターアンプの前で、つぶやくような声をボーカルマイクで録音したとき、
ボーカルマイクはギターの大きな音も拾ってしまいますから、
いくら声のレベルを上げようとしても、ギターが大きくなるだけで、
もはやバランスのコントロールができません。
これを録音における音のかぶりといいます。
そこでこのような場合は、つぶやくような声を後から録音することになります。
ライドシンバル、シンバル左、シンバル右、ハイハットと9トラック使います。
それぞれのたいこは別のマイクでとり、べつのトラックに入れますが、
この時も音のかぶりが発生して、コントロールできない場合があります。
例えば音の鳴りやすいシンバルに対して、スティックのスピードが要求されるタム類を
無意識に弱くたたいていると、あとでタムのレベルを上げても、
シンバルや他の楽器を大きくしていることになってしまいます。
スネアとハイハットの関係も同様です。
タイミング上あまり出来ない場合が多いので、ドラマーは出来るだけ
演奏時に音量バランスがとれているほうが、好ましくなります。